仕事への不満と取るか?起業への意欲と取るか?

 日本能率協会が7月24日に発表した「ビジネスパーソン1000人調査」結果では、30代・40代のビジネスパーソンの半数近くが「仕事にやりがいなし」「能力を発揮できていない」と感じているそうです。「組織の中核たるミドルの疲弊として危機感をもって受け止めたい。賃金・評価といった人事労務制度の見直しと、従業員の意識・組織風土の改革という両面から対応する必要がある」と報告書では述べていますが、別の解決策もあると思います。起業することです。
 日本政策金融公庫総合研究所の新規開業実態調査によれば、起業する人の平均年齢は約40歳です。この前後の年齢が最も多く起業しています。同世代のビジネスパーソンの約半数が、仕事に閉塞感を抱いていることと無関係ではないでしょう。ミドル世代は、自分がやりたい事業を立ち上げて存分に力を発揮することが、よりよい人生を実現するための重要な選択肢になっているのです。仕事の閉塞感が自己実現への渇望に変わり、それが抑えきれなくなったとき、起業へと踏み出すのではないでしょうか。
 「世界的に見ると日本人の起業家意識は顕著に低い」と言われていますが(GEM調査)、ミドル世代はそうでもないと期待させる能率協会の調査結果です。