高校生が地元に残りたくなる出前授業(米子市)

 7月14日に、米子市内の米子高校日本政策金融公庫米子支店による出前授業が行われました。若者の地元定着を目的としたもので、米子市が主催し、鳥取県鳥取県信用保証協会米子商工会議所鳥取県西部商工会産業支援センター山陰合同銀行鳥取銀行米子信用金庫が後援しました。この春入学した1年生を対象にした授業です。
 「君も融資課長だ! 融資稟議書を書いて地元企業を応援しよう」と題して、米子駅前で開業を予定する事業者のビジネスプランを審査して融資稟議書を作成し、ディスカッションする体験授業でした。
 融資したいと答えた学生からは、「意欲がある」「約束を守るタイプ」「人柄がよい」「資産がある」「経験・技術がある」といった意見が寄せられました。融資しないと答えた学生からは「売上予測の根拠が曖昧」「人脈が弱いのでは」といった意見が寄せられました。賛否が分かれたところで、融資しない理由を解決する方法を考えました。売上予測の根拠を得るためにモニター調査を行う、人脈が十分にあるか再調査する、といった解決策が提案されました。この結果、融資できることになりました。
 興味深かったのは、ディスカッションの中で「40歳での起業は遅いのではないか」という問題意識が提起されたことです。我が国の創業者の平均年齢は40歳強ですが(日本政策金融公庫総合研究所「新規開業実態調査」)、確かに40歳では遅いのかもしれません。もっと早くに創業できる環境整備も必要でしょう。
 暮らしやすさ日本一で、稼ぐ力も大きいと説明された米子市。こうした米子で活躍する企業を応援するという授業は、熱く盛り上がりました。フレッシュな高校生たちも米子市を元気にしたいと感じたようです。