事業承継で躍進するプラスチックボトルメーカー(愛知県新城市)

 中小企業白書には、優れた中小企業の経営事例が掲載されています。今年の白書(P129)には、事業承継がうまくいった例として、愛知県新城市本多プラス(株)が紹介されています。同社はプラスチック・ブロー成形品メーカーですが、青いナイロン製の修正液のボトルを製造している会社というとわかる人も多いでしょう。同社の躍進は、事業承継がうまくいったことでもたらされました。
 本多孝充社長は、英国でMBAを取得後、1997年に28歳で同社に入社しました。4年目で専務に就任、2011年に社長に就任しました。「他人のやらないことをやる」という経営理念に基づき、文具製品中心だった製品構成を、化粧品容器や医薬品容器などへと拡大しました。デザイン部門を設けてデザイン力と提案力を強化したことで、多様なオーダーに応えられるようになりました。提案型営業で女性向け市場へも参入した結果、売上と従業員数は専務就任時の2倍になりました。
 同社は女性活用に積極的であり、女性従業員比率は5割に上ります。地域の子育て世代の女性に就業機会を提供していることでも評判になっています。
 女性を活用して女性市場を切り開く同社は、事業を承継した経営者が時代に対応したアイデアを発揮した優良事例として、多くの企業の模範となるでしょう。