小企業の生き残り策

 市場が縮小し、競合が激化する中で小企業が生き残る方法は、新しい市場を生み出すことです。そのためには新しいニーズの掘り起こしが必要になりますが、それは新しい問題を開発することだという考え方があります。自ら問題を開発して、その問題を自社の商品やサービスで解決するのです(三宅秀道著『新しい市場のつくりかた』東洋経済新報社)。
 問題解決とは、新しいライフスタイルを提案し、その中で消費される商品やサービスを提供するということです。イノベーションは技術革新と訳されることから、新しい高度な技術が開発されなければ起こらないと多くの人に思われがちです。しかし現実には、人々の価値観が変わることでイノベーションは達成されます。
 人々の価値観を変え、暮らしを変えていくような提案を行っていくことが今の企業に求められています。少子高齢化時代のターゲットは、高齢者や女性です。高齢者や女性の生活には、たくさんの問題が潜んでいます。その問題を掘り起こし、解決のお手伝いをする提案をするのです。
 小企業は、小規模ゆえに何をやってもリスクが小さいですから、思い切って挑戦できます。新しい社会のあり方、高齢者や女性の新しい暮らし方を提案することに、小企業が率先して取り組むよう求められています。