うまくいく創業を果たすために準備しておくこと

 創業して成功する確率を高めたいがどうしていいかわからないという方に役立つ情報です。

 国内最大の創業支援機関である日本政策金融公庫が行っている調査データを用いて、創業をうまくいかせるために創業予定者は何を備えるべきかを示した研究書が今月、刊行されました。村上義昭著『開業者の能力獲得経路 経験、副業起業、従業員、人的ネットワーク』(同友館)です。

 日本公庫は年間2万6千人の創業者に融資する政府系金融機関で、創業者や創業支援者にとっては有名な存在です。「創業融資なら公庫」と関係者は口を揃えて言います。

 その公庫が支援した創業者を対象に調査した結果が毎年発表されています。そのデータを基に、創業までに準備しておくべきことは何かをテーマにまとめたものが『開業者の能力獲得経路』です。本書の結論は明快です。

 

・開業したい事業と同じ業種の事業を行う企業に勤務して、経営者になることを目指して経験を積み、業界知識、人脈、技術力、営業力、マネジメント能力を身につける。

・勤務する先は、規模が小さく、業歴が短く、業績が良好な企業がスキル等を身につけやすいため望ましい。

・勤務先では優秀な部下を多く育てて、独立する際に連れていけるようにする。ただし、勤務先とは円満な関係を保ち、起業後も支援を受けられるようにしておく。

・勤務を続けながら副業として起業し、手応えをつかんでから専業にするとうまくいきやすい。

 

 当たり前のように見えますが、創業融資を受けて成功している人の実態はこういうものです。「成功に奇策なし」です。創業の準備をされる方に参考にしていただきたいと思います。