21世紀の豊かなまちづくり(愛知県東郷町)

 名古屋市の東隣にある東郷町は、名古屋市豊田市ベッドタウンとして目覚ましく成長しています。この20年で人口は1万人以上、増えました(7月末人口43,591人)。
 急成長する東郷町は、新時代のまちづくりであるセントラル開発に取組んでいます。
 セントラル開発とは、町の総合計画で「みんな元気な環境都市」をビジョンに掲げ、子どもからお年寄りまで「みんなが歩いて暮らせる便利なまち」の実現を目指すものです。役場周辺の公共施設や既存道路を活用しながら、中心部にバスターミナルや商業施設等を導入し、都市機能を集約してまちの魅力を高めていきます。
 この構想は、都市機能の集約という点ではコンパクトシティ構想と似ています。しかしそれ以上に、「歩いて暮らせる便利なまち」を目指すことが重要なポイントです。自動車の利用を徒歩で替えることで、人と人がふれあう、温かい地域社会を創ろうとしています。自動車の利用が抑えられれば、環境問題の解決にも貢献しますし、車にかかる費用を生活費に回せますから、より豊かな生活を享受することもできます。
 今でも人口が増え続けている東郷町が、一手先を読んで、豊かなまちづくりを実現するためにセントラル開発に取り組んでいるところが、すばらしいと思います。
 東郷町では、ブランドづくりにも力を入れており、まちの特産品・民話・特色を活かし、「日本人を元気にするプロジェクト”愛2(あいあい)”ブランド」という特産品開発にも取り組んでいます。ローゼルアイス、ローゼルタルト、味噌だれ、名城めこぼれ松、東郷チーズ、トッピイバターサブレ、消臭ラタンなど(ローゼルは、西アフリカ原産のアオイ科の植物で、食用としている暗赤色の部分は酸味があります)。
 21世紀の豊かさを実現するまちを目指す東郷町。そのビジョンが実現する日が楽しみです。