創業支援のレベルが半端ない「せと・しごと塾」(瀬戸市)

 愛知県の瀬戸市は、瀬戸焼きと藤井七段(将棋)で有名ですが、市が徹底した創業支援を行っていることでも知られるべきでしょう。
 同市は、平成20年に「せと・しごと塾」を立ち上げ、地域のニーズや課題をビジネスで解決する創業を目指す方の支援を始めました。4ヵ月かけて講義と個人相談を繰り返してビジネスプランを創り上げ、最後に発表会を行います。これまでに182名が卒塾し、95名が創業しています。陶芸・ガラス・木工などのモノづくり、カフェなどの飲食店、医療・福祉、デザイナー、カメラマンなどの専門技術職とさまざまな業種で創業がなされています。
 「せと・しごと塾」では、行政、商工会議所、大学、地元企業、金融機関などが一体となって創業予定者を支援しており、実践的な講義と相談が行われています。塾長の小坂英雄氏(起業経営研究所代表。よろず支援拠点コーディネーター)の講座を中心に、名古屋学院大学学部長の講座、東海税理士会の税務講座、瀬戸信用金庫のグループワーク講座、愛知県信用保証協会日本政策金融公庫の講座など、オール地元による手厚い教育支援が行われます。
 今年で11年目となる取組みですが、過去10年間の活動の成果を紹介する「せと・しごと塾ガイドブック」も発刊されました。
 市役所が基盤を作ってオール地元で創業を支援する取組が10年以上続き、地域を担うビジネスを次々と生み出しているすごさを多くの方に知っていただきたいと思います。