夢があれば創業の資金調達は難しくない(by小規模企業白書)

 創業する際の最大のネックは資金調達であると言われます。本当にそうでしょうか。
 もともと経営上の一番の悩みは資金繰り、すなわち資金調達です。だから、創業の際の悩みも資金調達と思いがちですが、そうではない、夢があれば創業の資金調達は難しくないと教えてくれる例が、2017年版小規模企業白書(P188 事例2-1-5)に掲載されています。
 (株)せん秋田市)は、あきた舞妓の派遣・育成事業を行う企業です。社長の水野千夏さんは、都内の化粧品会社勤務を経て、Uターンで故郷で事業を立ち上げました。全国で最も人口減少のスピードが速い秋田県を活性化したいと、伝統文化である「あきた舞妓」を復活させて秋田をPRしようと考えました。
 水野さんは、彼女の夢に共感してくれた11人の方から650万円の出資を受けて、2014年に創業しました。2016年には、国の補助金と地元金融機関からの融資とクラウドファンディングで、1,400万円を調達し、活動拠点となる店舗を構えることができました。彼女の夢が、2,000万円を超える資金調達を可能にしました。
 夢があれば、それに共感した人々が集まり、資金も集まる。水野さんの例は、創業における夢の大切さを物語っています。