業種別では東京22区に負けていない米子市の「稼ぐ力」

 政府が作成した「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」では、地域が生産性を向上させて「稼ぐ力」を引き出すことを提唱しています。ここでいう「稼ぐ力」の指標として、労働生産性(従業者一人当たり付加価値額)が用いられています。意外なことに、この労働生産性米子市と東京を比べてみると、米子市が負けていないことがわかります。
 RESAS(地域経済分析システム)の2012年データでは、米子市労働生産性は全業種平均353万円で、東京23区の全業種平均782万円や、上位4区の千代田区1,121万円、港区904万円、江東区816万円、中央区789万円と比べればかなり低く見えます。しかし、東京23区の労働生産性を引き上げているのは上位4区であり、5位以下は平均以下です。下位3区にいたっては、江戸川区396万円、足立区371万円、葛飾区364万円と、米子市と比べてそれほど差はないことがわかります。
 さらに業種別でみると、逆に米子市が上回っている部分が、少なからずあります。
 産業大分類の18業種別で労働生産性をみると、22区に対しては、いずれかの業種で米子市が上回っています(18業種すべての労働生産性米子市を上回っているのは、千代田区のみです)。
 米子市の上回りが目立つのは医療・福祉(米子市442万円)で、14の区に対して上回っています(江戸川区441万円、新宿区437万円、北区417万円、板橋区416万円、江東区412万円、葛飾区411万円、世田谷区411万円、荒川区392万円、品川区388万円、練馬区382万円、豊島区371万円、渋谷区370万円、中野区351万円、文京区191万円)。
 宿泊業・飲食サービス業(米子市189万円)では、11の区を上回っています(葛飾区182万円、墨田区180万円、板橋区179万円、渋谷区170万円、練馬区167万円、北区166万円、江戸川区165万円、新宿区157万円、足立区156万円、中野区153万円、港区144万円)。
 情報通信業米子市578万円)では、9つの区を上回っています(目黒区541万円、荒川区518万円、足立区489万円、杉並区483万円、台東区476万円、板橋区410万円、江戸川区399万円、北区383万円、葛飾区243万円)。
 自然に恵まれ、暮らしの利便性は日本一で、「稼ぐ力」でも東京に負けていない米子市。この魅力を地元の若者中心に、多くの方に知っていただきたいと思います。