『人間中心のまち』を目指す米子市

 地方創生の必要条件が脱・クルマ社会化だと藤井聡京都大学教授はいいます(藤井聡クルマを捨ててこそ地方は甦るPHP研究所)。クルマの利用を減らすことは、実現が困難と思われそうですが、米子市なら十分に実現可能です。
 米子市は面積が132k㎡と小ぶりな中に、高島屋百貨店、大学病院、数多くのコンビニ・飲食店がひしめいています。米子駅から高島屋にかけてのまちの中心部は徒歩で移動可能です。しかもまちのどこにも坂道がない平坦なつくりですから、徒歩に適しています。『人間中心のまちづくり』をテーマに掲げて市の中心部にクルマを入れないようにすれば、中心部はひとであふれ、賑わうでしょう(注:公共交通や運搬車両などは乗り入れ可能にします)。
 米子市の世帯当たりの乗用車保有率は1.7台で、全国平均(1.2台)を大きく上回っています。クルマを減らす余地は大いにあります。一家に1台を合言葉にクルマを減らせば、浮いたお金が市内消費に回り、まちなかの商店が元気になります。
 米子市は、昨年4月に新しい市長が誕生しましたが、新市長は『住んで楽しいまち』をビジョンに掲げ、公共交通網の整備を考えています。脱・クルマ社会化を目指しているということです。実現に向けて大きく前進してほしいと思います。