高校1年生に融資課長体験を出前授業(米子市)

 2月18日、米子市米子高等学校で、1年生全員を対象にして融資課長の体験をしてもらう社会教育の授業「君も融資課長だ! 融資稟議書を書いてみよう」が行われました。講師は日本政策金融公庫米子支店の支店長と融資課長です。
 米子駅前でケーキショップを開店予定の男性の融資申込の内容を検討し、融資できるかどうかを判断して、融資稟議書をまとめ、ディスカッションするという授業です。生徒が能動的に学習に参加するアクティブ・ラーニングの手法に基づきながら、融資課長の仕事を体験できるという、他に例を見ない授業です。
 高校生からは、「人柄が良く、約束を守るタイプなので融資したい」「業界経験があり、技術力が高いので融資したい」「立地が良く、オリジナル商品を扱うのでリピーターがつきやすいから融資したい」「十分な貯蓄があり、返済力が見込めるから融資したい」といった意見から、「計画が楽観的。少子高齢化でケーキを買う客層は減っている。米子市民の舌に合うかも疑問。融資すべきでない」「返済期間10年では、将来どうなるかわからないので不安がある。融資すべきでない」といった意見まで出ました。多様な意見が出たことで、生徒それぞれの見方が違うことが理解された貴重な授業でした。最後には、生徒全員に「創業の手引」が配られました。
 この取り組みは、地方創生の一環として日本政策金融公庫が主催し、鳥取県鳥取県信用保証協会米子市米子商工会議所鳥取県西部商工会産業支援センター山陰合同銀行鳥取銀行米子信用金庫が後援するものです。
 オール米子で高校生に社会教育という取組みは、地方創生の取組みとして意義深いものがあります。アクティブ・ラーニングという手法は、2020年に改訂される学習指導要領を先取りしてもいます。今年夏には米子商工会議所による高校生向け創業体験講座が、秋には日本政策金融公庫による高校生ビジネスプラン・コンテストが開催されます。こうした取組みが広がってほしいと思います。