日本最大級の起業家教育(鳥取県西部)

 先月と今月、米子市「ジュニア世代創業チャレンジセミナー」が開催されました。鳥取県西部9市町村から小学生、中学生、高校生を集めて、創業のビジネスゲームを行うものです。(株)セルフウイングの起業家教育プログラムを体験するもので、6人で1チームを作り、会社の設立から事業計画策定、資金調達、材料仕入、商品制作、販売、決算までを学ぶ、本格的な授業です。講師は(株)セルフウイングの社長が務め、チームトレーナーを米子商工会議所の経営支援部長と経営指導員、鳥取県信用保証協会の経営支援課長、日本政策金融公庫の融資課長、銀行員役を(株)ナガサキアンドカンパニーの社長と日本政策金融公庫の支店長が務めるという豪華なセミナーでした。
 主催は米子商工会議所で、共催は鳥取県米子市境港市、日吉津村、大山町、南部町、伯耆町、日南町、日野町、江府町、日本政策金融公庫米子支店、鳥取県信用保証協会、境港商工会議所鳥取県西部商工会産業支援センターという大規模な取組みです。
 県西部の9市町村から総勢85名の小学生、中学生、高校生が集まりました。10月8日が小学生向け、10月9日が中学生向け、11月6日が高校生向けでした。小学生向けコースが定員を大きく上回り、あふれた応募者を中学生向けに回してもキャンセル待ちが生じるほど、小学生(or保護者)には人気でした。
 このセミナーのよさは、実社会で経験するチームワークと失敗を模擬的に学べるところです。会社を作って利益を上げるという目標のもと、チームが一丸となって商品制作や販売に努力します。その過程でさまざまな失敗を経験し、それを乗り越える知恵を身に付けていくのです。
 チーム内の意見がまとまらない、予定していた材料が仕入れられない、時間内に商品が完成しない、資金調達がうまくいかない、材料が不足する、販売がうまくいかない、決算で赤字を出してしまう、などです。これらを体験することで、社会に出た時のリアリティーショックを乗り越えることができるようになっているのです。
 実社会の問題を体験するのですから、アクティブ・ラーニングとしても最高のプログラムです。
 これを小学生の段階から中学生、高校生へと続けていけば、高校卒業時には立派な起業家予備軍が出来上がることでしょう。創業支援は裾野広く、息長く行わなければ成果が出ませんが、この取組みは理想的な創業支援だと言えるでしょう。