廃校を再生する逆転の発想(by米子松蔭高校)

 廃校となった小学校を再生するにはどうしたらよいか。全国でさまざまなアイデアが出されて試行されていますが、まだ正解と呼べるものは出ていないようです。そんな中で、米子市にある米子松蔭高校のビジネス研究部が、注目すべきアイデアをビジネスプランとして発表しました。
 小学校を、お年寄りのための学びの場として再生する「老学校創設プラン」です。小学校が廃校になる原因は、子どもの数の減少です。それに反して、お年寄りの数はうなぎ登りで増えています。ならばお年寄りをターゲットにした学校をつくればよいのではないか。
 お年寄りにも学びのニーズはあります。認知症予防のための脳トレ相続税や年金の知識、家族間のコミュニケーションの取り方、健康を維持するための知識、極めたい趣味の知識、適度な運動など、学びたいことは山ほどあります。そうしたことを学ぶ場として廃校を再利用するというアイデアです。
 このアイデアは非常に優れていると思います。地域資源を活用して、シニア向けのビジネスの可能性を拓くからです。これからの時代にはシニア向けビジネスが重要といわれながら、多様に広がるニーズをどう捉えればよいのかという問題がありました。そこを学びという切り口でまとめて捉えるというアイデアが斬新です。しかも廃校という地域資源を活用することで、設備にかかるコストを削減できます。講師にプロボノを活用すれば、人件費も節約できます。
 このビジネスプランは、日本政策金融公庫の高校生ビジネスプラン・グランプリでセミファイナリスト賞を受賞しました。ぜひ鳥取県の地方創生の施策として実行してほしいプランです。