人口減少時代の企業支援(by冨山和彦)

 日本でも企業の寿命が10年になるかもしれない、だから事業を守るために企業をつぶす視点が人々を幸せにする、と冨山和彦経営共創基盤CEOは言います(富山和彦選択と捨象 「会社の寿命10年」時代の企業進化論朝日新聞出版社)。
 冨山氏は、JAL、カネボウダイエー鬼怒川温泉福島交通などの再生支援に関わった教訓をもとに、「選択と捨象」の重要性を説いています。成功した大企業であっても、拡大路線の体験が足かせになり、人口減少という環境変化への適応ができなくなる。そこから再生するには、しがらみを捨てて、残すべき事業に経営資源を集中することだ。冨山氏の指摘は、人口減少時代の経営活動として合理的です。
 老朽化した企業という形をつぶして、よい事業という中身は残す。これからの企業支援に求められる重要な視点でしょう。