世界に発信する氷温フェスタ2014(米子市)

 本日、米子コンベンションセンターで、氷温フェスタ2014(第30回氷温研究全国大会)が開催されました。氷温技術の関係者約130名が全国から集まり、氷温技術の活用事例の発表会と展示会が行われました。
 最初に、(株)ダイマツ米子市の水産加工会社)の松江伸武会長の講演があり、38年前に氷温技術に出会い、技術を確立して普及させるまでの歴史が語られました。
 氷温とは、零度から氷結温度までの温度域のことで、この温度で食材を保存すると、旨味が増し、保存性も向上します。この温度域で食材を貯蔵するのが氷温技術です。熟成と鮮度という正反対の目的を同時に達成する夢の技術です。
 氷温は、鳥取の名産品である二十世紀梨の貯蔵実験を行った際に、誤って零度以下で保存したのに梨は凍らずに旨味が増していたという実験結果から、偶然、発見されました。これを技術化して普及させるために、山根昭美博士(鳥取県食品加工研究所長)と松江伸武社長が米子市氷温研究所氷温協会をつくって、普及に尽力されました。今では鳥取県を拠点に全国に普及しています。
 本日の事例発表会では、桃の氷温貯蔵((株)桃の館)、韓国での地場野菜の氷温貯蔵((株)Hyo-on Korea)、氷温熟成牛肉を使ったレストラン経営((株)Original Quchi)の事例などが報告されました。地元の食材のよさを最大限に引き出す氷温技術の展開には果てがありません。インドにも広げる計画があるそうです。
 鳥取県が世界に誇る氷温技術。これからもますます広がってほしいと思います。