差別化を実現するには未来工業に学ぼう

 日本一労働時間が短い優良企業として有名な岐阜県未来工業(株)。創業者の山田昭男氏は、働かないから稼げるようになる、常識を捨てて差別化を図ることが大事といいます(山田昭男『稼ぎたければ、働くな』サンマーク出版)。
 ITが発達したために、今では企業の成功事例はあっという間に模倣されて陳腐化してしまいます。そんな中にあって未来工業(株)が好調を維持できるのは、常に新しいアイデアを出し続けているからです。それが可能なのは、社員一人ひとりが常に考え、新しいアイデアを出すように動機づけされているからです。同社では、何かアイデアを出すごとに報奨金が漏れなく与えられ、クラブ活動や社員旅行にも多額の予算がつき、休暇も日本一多く取れます。社員を喜ばせてやる気にさせるという山田氏の戦略がずばり当たっているわけです。
 戦略とは戦を略すこと。いたずらにガンバリズムに陥ることなく、差別化の発想でセンス良く新しいことに挑戦していく。これが現代の企業経営なのだと感じさせられます。