顧客目線のない商店街再生策(by久繁哲之介)

 顧客目線を失った商店街再生策は失敗するということを、地域再生プランナーの久繁哲之介さんは高岡市を例にして説明します(久繁哲之介『商店街再生の罠』ちくま新書)。
 総務省の家計調査では、富山市の世帯当たりの年間コロッケ購入額が県庁所在都市・政令指定都市で第1位だったことから、高岡市の市役所職員が「高岡のコロッケ購入量は富山市より多いはずだから、高岡をコロッケの町として売り出せる」と考え、コロッケまちおこしを始めました。
 全国的にも知られる宇都宮市の餃子まちおこしを模倣したものですが、高岡市のコロッケまちおこしは残念ながらうまくいきませんでした。市民がコロッケによるまちおこしを恥ずかしいと考えていたことに加え、協力してくれる飲食店(食べる場所)を確保できなかったことによります。
 地元の理解が得られないまま商店街再生策を始めてもうまくいかない。顧客目線、市民目線で再生策を創る必要があるということだと思います。