商店街再生の罠を脱するには(by久繁哲之介)

 商店街が衰退する本質は、公務員など商店街支援者と商店主の多くに意欲と能力が欠けていること、と地域再生プランナーの久繁哲之介さんは言います(『商店街再生の罠』ちくま新書)。
 小売業に最も必要な能力である消費者ニーズに気づく力・対応する力が公務員と商店主には驚くほど欠けているのに、大型店を悪者にして客を奪われたという幻想を創り出し、商店街を観光地化しようとする誤った振興策が取られている、これが商店街再生の罠であると久繁氏は指摘します。
 真の商店街の再生策は、ビジネスの基本に徹して「生活インフラ機能の強化を基本コンセプトに据え、大型店やコンビニ等との差別化を図りながら、地元市民を相手にリピート客を創ること」と久繁氏は強調しています。
 商店街再生の罠を脱するには基本に帰ること、という愛の鞭だと思います。