小企業に必要な「人とつながる力」

 ビジネスを行うと、人と人がつながります。ビジネスを拡大するには「人とつながる力」が大切になります。大企業がなぜ優位かといえば、組織の中で大勢の人がつながっており、その「つながり力」を発揮して、外部ともつながるからです。大企業の力の源は、ビジョンとミッションを明確にして組織の人員が強く結び付いているところにあります。企業競争力の核として語られる価格の安さや品質の良さは、その次にくるものです。
 他方、小企業では、「人とつながる力」が大切だと認識しているところは少ないようです。小企業は、明確なビジョンを持たずに自分がやりたい商売をしているところが多いせいか「人とつながる力」が弱いのです。小企業のままでいいという自己正当化が衰退原因にもなっています。自分が良いと思ったものを必死に売る努力さえすれば売れると信じています。そのため、売上が落ちると外部環境を理由にして自己改革が進まず、衰退してしまうことも少なくありません。
 「small is smart」「21世紀は小企業の時代だ」と礼賛する声があります。時代が求めるものなら、なぜ衰退するのでしょうか。企業が「つながり力」を発揮するための組織なら、大企業こそすばらしいといわなければなりません。
 小企業がこれからの時代に生き残っていくためには、「人とつながる力」を伸ばしていくことが何よりも必要です。