人口減少で見直されるスモールビジネスの価値

 5月10日に発表された今年の小規模企業白書では、持続可能なまちづくりに関する重要なファクトが報告されています(P348~P466)。

 「第2部第2章 小規模事業者に対する今後の期待」では、小企業は人口密度の低い地域ほど構成比が高く、高齢者と女性の雇用割合が高いことが述べられています。このことからは、今後、人口減少が進む地域ほど、小企業の存在意義が高まり、高齢者や女性の雇用の受け皿となることが推測されます。

 大企業は、人口密度の低い地域では規模に見合った収益が上がらないことから、事業を展開することが難しいでしょう。むしろ、低収益ながらも小回りが利く小企業が、地域の重要な経済単位としての役割を果たし、人と人を結び付けながら、持続可能なまちづくりに貢献していくことが期待されます。

 「これからは小企業の時代」という言葉が過去に何度も使われながら実現しませんでした。本格的な人口減少時代を迎えた今、ようやくこの言葉に実が伴いそうです。