SDGsのモデルになれる「日本一若いまち」(長久手市)

 世界的な運動となっているSDGs(持続可能な開発目標)への取組みは、我が国にも浸透し、行政だけでなく民間企業も率先して取り組んでいます。今後は、取り組んだ結果、どれだけ成果を上げたかが問われるでしょう。持続可能な地域づくりをどのように行い、取組みにふさわしい結果を出しているかが、自治体や企業に求められます。
 SDGsは持続可能な地域づくりを目指すものですから、人口や所得水準を維持する経済社会ができているかが、地域に問われます。その問いに対して自信をもって答えられる自治体が長久手市でしょう。
 長久手市は、この半世紀で人口を5倍に増やし、住民の平均年齢は38.6歳と日本一若くなっています。人口一人当たり市町村民家計所得は県内2位で、豊田市に次ぐ家計の豊かさを実現しています。数字面では十分に持続可能性を感じさせる形ができています。なぜでしょう。その理由は、名古屋市豊田市の間に立地しているという地の利に加え、教育態勢が整備されているからだと思います。
 長久手市内には、大学が5つ、専修学校が2つ、高校が2つ、中学校が3つ、小学校が6つと、6万人都市とは思えないくらい教育機関が充実しています。これにより高い教育レベルが維持され、地域を支える優秀な人材を輩出する形ができています。名古屋市豊田市の近隣に位置することで働く場が確保され、地元に教育機関が充実していることで人材の質が確保されるという理想的な地域づくりができています。
 長久手市がこの利点を活かしてこれからも人づくりを基本にしたまちづくりに取り組めば、SDGsのモデル都市として全国に知られるようになるでしょう。