軽貨物の運送事業者を支援する女性起業家のマッチングサイト

 小企業による軽貨物運送は、物流の根幹を支えています。しかし、三次、四次の下請けになると、利益率が下がり、収入を確保することが容易ではありません。そうした軽貨物の運送事業者を支援したいと、マッチングサイト「サポロジ」を始めたのが、福岡市にある(株)ロジカムの社長、大瀬麻衣子さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.173 P16-19「ラストワンマイルに光を当てる」)。

 「サポロジ」のサイトでは、荷主が案件を書き込むと、登録している運送事業者に一斉配信され、事業者が配達時間や場所、荷物の大きさなどから案件を選択して、直接荷物を引き取り、配達します。料金は配達距離で決めます。荷主が登録した時点で料金が確定しますので、注文しやすくなっています。これまでの実績では、1件の料金単価は約1万円、配達距離は平均片道1時間半です。

 ターゲットとするのは、取引先企業への緊急を要する荷物や超大型の荷物の配達を求めている企業です。このターゲティングには、大手運送会社が対応しづらい荷物を扱えるメリット、企業間の物流を担うことで不在による再配達の負担がかからないメリットがあります。

 大瀬社長は、九州での運送事業者の登録数が600に増えたところで、九州以外にも展開しようと、2021年に大手運送会社と合弁で(株)サポロジを立ち上げ、事業を移管しました。エリアは九州のほかに関西、関東、東海まで広がり、登録事業者数は3,000に上っています。

 軽貨物運送事業者を支援する女性起業家の活躍が、物流業界に元気をもたらすことに期待しています。