山陰から全国展開する女性ソーシャルベンチャー

 地方で起業して全国展開に発展するベンチャー企業はほとんど見られません。ましてや女性のソーシャルベンチャーならなおさらでしょう。その中で稀有な存在が、鳥取県米子市ナーシングコアコーポレーションを経営するかんべたかこさんです。
 かんべさんは2014年にナーシングコアコーポレーションを立ち上げ、潜在看護師を派遣する事業を始めました。結婚して家庭に入ったものの再び働きたいという元看護師の女性たちに働く場を提供するためです。病児シッターや介護シッターとしての派遣を試行錯誤するうち、介護へのニーズが強いこと、しかも都会に出た子供夫婦が故郷の老親の介護を支援してほしいというニーズがかなり存在することに気づきました。
 遠距離介護を支援する事業が必要と考えたかんべさんが中心となり、この10月17日に遠距離介護支援協会を立ち上げました。都会と地方を結ぶ支援の輪を担うソーシャルベンチャーの大きなチャレンジです。
 かんべさんはこれまでの功績が称えられ、今年、内閣府「女性のチャレンジ賞」、全国商工会議所女性会連合会の「女性起業家大賞」を受賞されましたが、遠距離介護支援事業はさらに先を行くチャレンジです。ぜひ社会を変える大きな力になってほしいと思います。