ほめちぎることで蘇った自動車教習所(by南部自動車学校)

 ある自動車教習所が、叱る指導からほめる指導に切り替えたことで、生徒数が増加し、合格率が上がり、事故率が下がった。そんな奇跡が三重県南部自動車学校で起きたそうです(加藤光一『「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方』KADOKAWA)。
 ほめる指導に変わったことで、指導員たちのモチベーションが向上し、人間関係のストレスに苦しむ指導員が減り、会社のパフォーマンスが劇的にアップしたそうです。企業としての組織力量が高まったということです。
 人口減少社会になり、成長の余地が狭まるなか、企業同士が微差を争ってしのぎを削る状態が続いています。その結果、ストレスが蔓延する不寛容な社会になってしまっています。そんな社会だからこそ、互いの美点を凝視し、良いところを認め、ほめることに価値が生まれています。
 100%できて当たり前であり、足りない部分を厳しく指導するというのがこれまでの風潮でした。これからは、どこまでできていて、どこからできていないのかを明らかにして、やる気を高め、学びへと向かわせるのが新しいスタイルになると思います。
 ほめることで人は成長するという重要な気づきを、再認識すべきときでしょう。