地元企業の大量廃業を防ぐには(鳥取県)

 「鳥取県西部にある企業の3社に1社が廃業予定」と12月15日の日本海新聞で報道されました。鳥取県西部商工会産業支援センターが県西部7商工会の会員企業に対して行った事業承継アンケート調査の結果です。回答企業540社のうち「事業承継を検討しておらず、廃業の予定」が185社(34.3%)に上ったということです。3割を超える企業が大量に廃業してしまったら、地域経済に大きな打撃となることでしょう。何とか防ぐ手立てはないでしょうか。
 報道には載っていない部分ですが、同調査では、事業承継の意向がある企業の調査結果も報告されており、興味深い結果が出ています。事業承継する意向のある企業が後継者に期待することは「時代に適応した取組の実施」(58.4%)、「人材育成」(32.8%)、「新たな販路開拓・取引先拡大」(25.8%)が高くなっています(注:複数回答なので合計は100%を超えます)。後継者に求められる重要な資質・能力として主に「リーダーシップ」(28.4%)、「自社の事業に関する専門知識」(23.5%)、「営業力」(21.1%)が挙げられています。
 変化の激しい今の時代に企業経営を続けていくには、変化に対応した商品やサービスを提供できること、人材育成や販路開拓を行うこと、そのために経営者にリーダーシップ、専門知識、営業力が求められるということです。「変化に適応できたものが生き残る」というダーウィンの言葉を地でいく結果です。
 企業に求められているものがはっきりしたわけですから、これに即した対応を取ることが必要でしょう。