今、求められる子育て支援策

 長野県の下條村が範を示した子育てコストを下げる支援策は、各地でブームになっています。その背景には年々、子育てが難しくなっている現状があるようです。
 少子化が進む今、昔以上に子供を大切にしなければいけないのに、子供の貧困が進んでいます。厚生労働省『国民生活基礎調査』でみると、子供の貧困率は年を追って上昇する傾向にあり、2012年には16.3%まで高まっています。
 子供が貧困に陥る原因としては、離婚率の高まりなどで母子家庭が増えていることが大きいと思われます。母子家庭は所得が低い傾向があり、子育ての負担は非常に大きいのです。子育て支援策を考えるなら、この部分をどう救うかを考えなければなりません。しかし、単に所得を補償するだけでは足りないでしょう。
 そもそも家庭が円満で離婚などしなければ、母子家庭にはならないはずです。子育て支援策は、円満な家庭が維持されることまで視野に入れて策定される必要があります。
 今、各地で若者たちの出会いの場を行政が用意するという「踏み込んだ」施策がとられ始めていますが、拙速な婚活支援は危険です。各種調査での離婚原因のトップは常に「性格の不一致」だからです。結婚相手の性格を十分に見極めないことが、後の離婚の最大の原因になっているのです。結婚相手やその家族の性格を十分に見極め、結婚後も安心して暮らせる見通しが立つような婚活支援を行い、さらに結婚後は円満な家庭を維持できるように支援していく。この方向でこれからの子育て支援策を考えるべきでしょう。