小企業に必要な『引き算する勇気』(by岩崎邦彦)

 人口減少で需要が減少し、グローバル化規制緩和で競合が激化する中、企業経営はどのようにしたらよいのか。数多くの経営者がこの難問に頭を悩ませています。その解答として「引き算する企業は強い。引き算することが大切」と岩崎邦彦静岡県立大学教授はいいます(岩崎邦彦引き算する勇気日本経済新聞出版社)。
 岩崎教授が消費者1,000人調査を行った結果、引き算をすると「買い手の知覚品質が高まる」「買い手の心に刺さりやすくなる」「イメージされやすい」「価格競争に巻き込まれにくい」「口コミに乗りやすくなる」「パブリシティに乗りやすくなる」「リピート客が増える」「ブランド力が強くなる」ことがわかったそうです。ただし、何かをやめることには恐怖が伴いますから、引き算するには勇気が必要になります。
 「足し算をしてしまうと個性が見えにくくなる、小企業こそ引き算することで個性をアピールできる経営を行うべき」というのが岩崎教授のメッセージです。小企業を勇気づけてくれる、すばらしい言葉だと思います。