褒めちぎる自動車学校(伊勢市)

 自動車学校と言えば、教官による厳しい指導が行われるところというイメージが定着していますが、伊勢市南部自動車学校はそれとはまったく逆の、褒めちぎる指導をすることで有名です。
 若者のクルマ離れなどで教習生の数が減っていたことに危機感を感じた加藤光一社長は、褒めて伸ばす指導方法に転換することでクルマを運転する喜びを感じてほしいと、指導方針を180度転換しました。教官には、毎朝、笑顔チェックを行い、ミーティングで身近なものを褒める練習をしたりして、笑顔で褒めることを習慣づけました。この結果、教習所の雰囲気が明るくなり、教習生の数も反転上昇しました。
 クルマの運転は命に関わる大事だから、失敗しないように厳しく指導しなければならないというのが、これまでの常識でしたが、南部自動車学校は、その常識の逆を行くことで教習生の支持を集め、流行っているのです。
 教官たちは褒める習慣が身に付いたことで観察力が増したといいますが、これはいろいろなことに価値を見出す癖が付いたということだと思います。ビジネスとは、人との出会いから価値を見出すことですが、南部自動車学校の教官は、まさに理想のビジネスを実践しているのだと思います。多くのサービス業に教訓を与えてくれるすばらしい事例です。