ITを活かしたプラスαの経営(三重県桑名市)

 供給過剰時代にあって小企業の生き残り策を考える場合、いかにして差別化を図るかがポイントになります。自社が提供する商品やサービスにどのような心地よさをプラスするか、多くの小企業が頭を悩ませていると思います。そうしたプラスαに工夫をこらした小企業の事例を集めた本が出版されました。日本政策金融公庫総合研究所『プラスαの経営』(同友館)です。
 この中では、三重県桑名市でブティックを営む(有)ラベンダーの事例が紹介されています。同社は、30代の主婦やOLをターゲットにして婦人服やバッグ、靴などを販売しています。工夫しているのは、専属スタイリスト・サービスをプラスαしていることです。顧客カルテのデータを基に、過去に購入した商品にマッチした新作のジャケット、スカート、靴、鞄などをコーディネートした画像を載せたDMをお得意先に送っています。あるいは顧客が自分のパソコンから同社のサイトにアクセスして、パスワードを入力して専用のページに入って、自分の好みのコーディネートを試すこともできるようにもしています。
 女性向けの婦人服小売店が、ITを駆使してプラスαの経営を実践している優れた事例です。多くの小企業の参考になると思います。