小企業に注目した今年の中小企業白書

 中小企業庁が4月26日に発表した『中小企業白書(2013年版)』は、副題を「自己変革を遂げて躍動する中小企業・小規模事業者」として、小規模事業者にも注目した分析を行っています。定義上、中小企業は小規模事業者を含みますが、その重要性からあえて別立てしています。小企業がこれほどクローズアップされたのは、白書史上で初めてでしょう。
 中小企業の9割は小規模事業者です。その小企業が90年代以降、大きく数を減らし、日本経済の活力を低下させています。この問題に応えることが政策当局の重要な使命との認識は正しいと思います。
 章立ては創業、新事業展開、事業承継、IT活用とシンプルで小企業の課題を明確に示しています。少子高齢化グローバル化国内需要が縮小しつつ競合が激化する現状に、ITなどを活用して小企業がどう対応していくかが問われています
 今年の白書は、地味ながらも現実的な認識に基づいた問題提起がなされていると思います。