求められる地域密着型金融とは(by小出宗昭)

 本日、岡崎市福祉会館で岡崎市主催の講演会「求められる地域密着型金融〜地域金融機関、産業支援機関は、地域に根ざした中小企業とともにどう歩むのか?」が開催されました。講師は、カリスマ起業支援家として名高い小出宗昭氏(富士市産業支援センター長)です。
 小出センター長の情熱あふれるお話は大変刺激的でした。
 「金融機関は、横並びの金利競争を続けていては生き残れない。中小企業経営力強化支援法が昨日から施行された。これは一定レベル以上の支援機関を認定して中小企業を支援していくもの。今のままでは淘汰される金融機関が出てくる」
 「金融機関の企業支援は、これまでリストラ支援だった。しかし企業の一番のニーズは売上を増やすこと。これからは売上の増進を支援しなければならない。コンサルティング機能を持つことが差別化要因になる」
 「自分はこれまでSOHOしずおかはままつ産業創造センター富士市産業支援センター(f-Biz)といったコンサルティング機関を立ち上げてきた。これらの機関では、静岡銀行など地域の金融機関と連携してコンサルティングを行っている。この動きに触発されて各地で同様の機関ができているが、東京の巣鴨信金は、S-bizを立ち上げてコンサルティング支援に取り組んでいる」
 「自分がコンサルティングを行ってきた経験から言えば、売上を伸ばす方法は3つに集約される。それは販路開拓、新商品・新サービスの開発、新分野進出。これらを実現するためには、真のセールスポイントを活かす、ターゲットを絞る、連携することが重要」
 「売上増進策は、ネーミングの工夫や、マスコミ・ソーシャルネットワークの利用など、できるだけ金をかけずに済む方法を考える。そのために知恵を出す」
 「リスケジュール先の支援においても、売上を増やす話をして相談に乗っていく」
 「セールスポイントの見極め方は、自分がお客ならどう思うかという顧客目線で見ること。いかにお客様を納得させられるか」
 「f-Bizで支援したうちの4割で成果が出ている。成果が出ていない6割に共通して言えることは、ニーズを読み誤ったこと。この部分が難しい」
 毎月200件もの相談を精力的に受けている小出センター長ならではの熱いメッセージが、金融機関をはじめとする支援機関関係者を感動させたすばらしい講演でした(小出センター長コンサルティング・ノウハウは『小出流ビジネスコンサルティング』(近代セールス社)で詳細に述べられています)。