少子化でも売れる名古屋のオーダーメイド飴

 少子化が進む中、子供向け市場で勝負するにはどうしたらよいのか。この難問にヒントを与えてくれるのが、名古屋市にある(株)ナカムラの取組でしょう。ポイントはオンリーワン商品による差別化とインターネットを活用した集客です。
 同社は1963年創業の菓子問屋です。86年に二代目の中村貴男社長が会社を引き継ぎましたが、少子化による市場の縮小には当初から危機感を抱いていました。
 2000年にオリジナルの組み飴(どこを切っても同じ絵柄が出る手作りの飴)の注文を受けて納入したところ、非常に好評でした。これならいけると考えた中村社長は、オーダーメイドの組み飴を売る事業を立ち上げようと、「まいあめ工房」というサイトを作って、注文を取り始めました。すると販促グッズに使いたいという企業のニーズをつかみ、NTT、日立、リクルートといった大手企業や、地方自治体、大学などからの注文が相次ぎました。
 手作り感あふれる、直径2cmの世界で一つしかない飴。このオンリーワン商品をインターネットで販売するスタイルが当たり、同社は、少子化時代に新たな活路を開くことができました(詳しくは日本政策金融公庫『新たなターゲットを拓く−小企業の販路開拓戦略』に)。