『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円』(by奥村聡)

 大廃業時代と言われるとおり、廃業予備軍の会社が全国に127万社もあります。これは、日本経済にとってはピンチですが、社長になりたいと思うサラリーマンにとっては、チャンスでもあります。自分で会社を買い取れば、社長になれるからです。事業承継デザイナーとして「社長のおくりびと」の異名をもつ奥村聡さんは、「会社を買って社長をやってみませんか?」と『継業スタートアップ』を勧めています(奥村聡0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円~個人でできる事業買収入門光文社新書)。
 事業承継を成功させる後継者に求められる資質は「良いも悪いもひとまず受け入れ、しがらみの中で調整に立ち回り、現実を引きずりながらも粘り強く改善を続けられること」であり、これはサラリーマンが培ってきた能力に他ならないと奥村さんは言います。
 ゼロからアイデアを発想したり、販路を開拓することは容易ではありません。しかし既にある企業がもつアイデアや販路を譲り受け、それを改善しながら業績を伸ばしていくことは、起業よりも容易です。社会のためにと振りかぶらずに、人生100年時代を生き抜く自分の未来のために、『継業スタートアップ』に挑戦する。現代のサラリーマンには、人生の新しい選択肢が生まれています。
 日本最大の創業融資実績を誇る日本政策金融公庫は、昨年7月に奥村さんを講師に招いて「継ぐスタ応援セミナー」を開催して盛況を収めました。大手の創業支援機関も『継業スタートアップ』の支援に積極的になっています。こうした動きは他の支援機関にも広がるでしょう。やる気と能力のあるサラリーマンの方にはぜひ『継業スタートアップ』に挑戦してほしいと思います。