3万人の社長から学ぶ『社長の一流、二流、三流』(by上野光夫)

 先の見えない時代に経営者はどのように意思決定し、行動すればよいのか。多くの中小企業経営者が悩んでいることと思います。そうした悩める社長たちに読んでいただきたい著作が刊行されました。上野光夫さんの『社長の一流、二流、三流』(明日香出版社)です。
 一流の社長(中小企業の社長)はどのように考え、振る舞うのか。経営の基本姿勢、経営戦略、マネジメント、マーケティング、財務マネジメント、パーソナリティ、スキル・ノウハウの切り口で45のケースを上げて解説しています。ケースごとに一流と二流、三流の違いが示されている点が特徴です。
 経営では何を重視すべきか、誰を大切にすべきか、未来をどう考えるべきか、事業計画書はどう作成すべきか、競合にはどう対応すべきか、どんな市場を狙うべきか、新規事業はどう始めるべきか、社員をどう使うべきか、商品・サービスをどう売るべきか、資金調達の仕方はどうすべきか、人格はどうあるべきか、スキルアップをどう図るか。これらが、一問一答形式でわかりやすく説明されています。
 上野さんは、日本政策金融公庫からスピンアウトして資金調達コンサルタントを務めていますが、融資やコンサルティングの現場で3万人の社長を見てきました。その経験に基づいて社長たちの思考・行動様式が語られており、多くの気づきが得られます。
 社長は孤独であり、師に恵まれることが少ないですが、本書を熟読すれば、3万人の経営者から教えを受けることと同レベルの経験ができます。多くの中小企業経営者に役立てていただきたいと思います。