国境を超えるインパクト!田縣神社の豊年祭(小牧市)

 「Oh, my God !」金髪碧眼の女性観光客が、驚きのあまり絶叫しました。目線の先にあるものは、神輿の上に鎮座する、直径60cm、長さ2m、重さ300kgの大男茎形(おおおわせがた)です。巨大な男性自身が、神輿に乗って公道を運ばれていきます。時々360°回転し、そのたびに沿道のお客から歓声が上がります。みなさん、笑顔で眺めています。
 愛知県小牧市では、毎年3月15日に田縣神社豊年祭が開催されます。今年も金曜日という平日ながら、国内外から訪れた大勢の観光客と地元客で賑わいました。豊年祭は、五穀豊穣、子孫繁栄を祈願する祭で、毎年、木曽檜から大男茎形を彫り上げ、熊野社から田縣神社まで公道を90分かけて神輿で運び、奉納します。神輿を先導する女性の五人衆は、各々が抱える小型の男茎形を沿道の人々に触れてもらい福を蒔きます。
 毎年、10万人近い観光客や地元客が訪れますが、海外からの観光客もおよそ5千人に上り、女性がたくさん見受けられます。案内のアナウンスは日本語と英語が流れます。
 国際的にも人気を集める天下の奇祭ですが、少子化が危機感をもって語られる日本において、子づくりに堂々と向き合い、そのすばらしさを神事にまで高めた豊年祭は、今後ますます注目され、評価されるべきでしょう。
 「野も山も みなほほえむや たがたさい」と和歌にも詠まれているように、みんなの微笑みがあふれる素敵な祭です。来年も大勢の方に訪れていただきたいと思います。