『稼ぐまちが地方を変える』(by木下斉)

 まちづくりのカリスマ木下斉さんが、5月8日に出版された新著『稼ぐまちが地方を変える』NHK出版)の中で、まちづくりを成功させる10の鉄則について述べています。
 ①小さく始めよ、②補助金を当てにするな、③一蓮托生のパートナーを見つけよう、④全員の合意は必要ない、⑤先回り営業で確実に回収、⑥利益率にとことんこだわれ、⑦稼ぎを流出させるな、⑧撤退ラインは最初に決めておけ、⑨最初から専従者を雇うな、⑩お金のルールは厳格に、がまちづくりの鉄則だそうです。これに加えて、まちを変える10の覚悟についても述べています。
 (1)行政に頼らない、(2)自ら労働力か資金を出す、(3)活動ではなく事業としてやる、(4)論理的に考える、(5)リスクを負う覚悟を持つ、(6)「みんな病」から脱却する、(7)楽しさと利益の両立を、(8)「入れて、回して、絞る」、 (9) 再投資でまち全体に利益を、(10)10年後を見通せ、がまちを変えるうえで必要な覚悟だそうです。
 数多くのまちづくりの失敗例を見てきた木下さんの体験から語られるこれらの指摘は、大変参考になります。補助金頼りで無責任状態に陥りがちなまちづくりのあり方に喝を入れる好著として、多くの方に読んでいただきたいと思います。