大切な「まちを経営する視点」(by木下斉)

 「まちづくりの基本は、まちを一つの会社に見立てて経営すること」と、まちづくり支援機関の要職を務める木下斉さんは述べています(『稼ぐまちが地方を変える』NHK出版)。
 行政主導ではなく民主導で、まちを経営するという視点を持てば、稼ぐこと、利益を出すことが大事という考えになりますし、補助金頼みや無責任状態に陥ることを防げます。まちづくりの基本に立ち返れということだと思います。民主導の成功事例として、岩手県紫波町「オガールプロジェクト」の取組を木下さんは上げています。補助金を入れずに民主導で資金調達して公共施設を建設し、運営している稀有の事例です。民が知恵を出したことで、採算に乗る計画にできたといいます。
 そうした経営者視点の重要性を強調したうえで、木下さんはさらに踏み込んで「お金より覚悟が大事」と述べています。最も必要なのは、民主導で進めることへの地域の覚悟。まちづくりの苦い経験を積んでこられた方の、本音の提言でしょう。