山陰創生に必要なコンパクトシティ構想(日本銀行松江支店・鳥取事務

 山陰創生のモデルケースとして、日吉津村鳥取県)の取組が重要であると、日本銀行松江支店鳥取事務所の論文『山陰創生に向けた課題−生産性の改善と金融機関の役割』では述べられています。
 日吉津村は、面積が4.16㎡の小さな村ですが、人口が30年間で3割増えています。人口密度は山陰で第3位の高さです。2000年代でも若者層の人口流入が続いており、大幅な社会増を実現しています。増田寛也氏の『地方消滅』中公新書)では、2010〜2040年に若年女性人口の増加が見込まれる数少ない自治体として取り上げられています。
 日吉津村では、大手製紙工場(王子製紙)や大規模ショッピングモール(イオンモール)が立地するほか、市街化調整区域の宅地化や区画整理事業で子育て世代の住環境を整備し、保育料・国民健康保険料を安価に抑えています。生産性・収益性の高い企業の立地と、子育て世代の生活環境の改善が組み合わさって、魅力ある地域づくりを実現しています。
 子育て世代を引きつける地域づくりを考えるうえで、日吉津村は一つのモデルになるでしょう。