『米国でも開廃業率が逆転』の教訓

 米国で開業率が低下し、2009年から廃業率を下回ったと報道されました(8月5日THE WALL STREET JOURNAL)。日本に続いて「米国よ、お前もか」という状況です。市場原理を尊重する新自由主義の国・米国でも開業率が廃業率を下回るというのは、深刻です。日本では「開業率が廃業率を上回る状態」に回復させることを国家目標として、創業支援に真剣に取り組んでいますが、それが茨の道であることを予感させます。
 こうした米国の状況も踏まえたうえで、日本の創業支援機関が心がけるべきこと。それは、創業して失敗するケースが続出しても、創業支援を諦めないことでしょう。
 廃業率が開業率を上回っているという事実を見ても、創業の大半が失敗していることがわかります。それは当然です。人口減少で需要が縮小しているのですから。創業支援は、創業の成功確率が低いことを前提にして行わなければなりません。
 政府が目標とする「開業率が廃業率を上回る状態」とは、新たな創業が新たな需要を生み、それがまた新たな創業を生むという好循環が実現している状態です。この状態まで持っていくには、本当に息の長い支援が必要です。
 どんな失敗を見ても諦めない心を創業支援機関の担当者には持っていただきたいと思います。