小出センター長のコンサルティング革命

 セールスポイントを見つけて褒めて伸ばす小出流コンサルティングがなぜ優れているのか。それは、経済が拡大基調だった過去の時代とは逆に縮小に向かう現在、何が売れる商品なのかがわからなくなっているからです(小出宗昭『取引先を“稼ぐ企業”に変える方法教えます!』近代セールス社)。
 昔は作れば売れる時代でしたから、とにかく効率よくたくさん作り、売りさばけばよかった。だから、悪い点(非効率な部分)を直せば経営はうまくいきました。いわゆる「経営改善」がうまく機能していた時代でした。しかし今は、需要が縮小する中で過剰な供給に押されて消費者の嗜好の変化が速くなり、何が売れるのかをつかむことが難しくなっています。従来型の事業展開(生産規模・販売網の単純な拡張およびカイゼン)がうまくいかない理由はこれでしょう。これは創業にも影響しており、思い付きレベルのアイデアだけで創業しても、簡単には軌道に乗らない事態も生じています。
 既に事業を行っている企業は、何かセールスポイントがあるから存続しているわけですが、その部分は少なくとも売れる部分です。だからそこを見つけて伸ばすことができれば、事業全体もうまくいくことになります。褒めることで経営者のモチベーションを高めている点も重要です。小出流コンサルティングは、右肩下がりの時代のコンサルティングの基本となる方法論と言えるでしょう。