「経営者にやる気はあるのか」論争

 中小企業支援にあたっている担当者の方からよく耳にする話に、「支援先の経営者に(経営改善の)やる気がない」というものがあります。これに対して、日本一のカリスマ支援家である小出宗昭氏(f-Bizセンター長)は、「やる気のない経営者などいない。経営者なら誰しもやる気がある」と強く反発しています。なぜ、このような見解の相違が生まれるのでしょうか。
 一般の支援機関担当者は、日々、数多くの経営相談に乗っていますが、なかなか経営が改善せず、経営者と共に悩むことも多くあります。目指すゴールにいつまでもたどり着けないと、経営者も支援者もモチベーションが下がるのかもしれません。
 小出氏の場合は、相談した7割以上で売上に改善が見られ、相談者は満足しますから、モチベーションが高く維持されるのでしょう。よい結果が出れば、人はやる気に火が付くということです。
 つまり相談の初期の段階では、どの経営者もやる気はあるのですが、相談後にそれなりの結果が出ないと、モチベーションがダウンしていくのだと考えられます。経営者の相談内容が解決に時間のかかる重いものであっても、小さな成果を短期間で出していくことが支援機関担当者に求められているのだと思います。