「経営状態が悪い企業を貸出できる企業に変身させること、新事業への意欲を失っている経営者にやる気や勇気を与えることが、地域の金融機関に求められている」と家森信善名古屋大学教授は言います(本日の日本経済新聞「経済教室」)。
中小企業数の減少が進む中、金融機関同士の競争が激化しており、どこも新規開拓に力を入れているが、それは既存顧客の奪い合いにしかなっていない。そうした新規開拓には展望がない。地域の金融機関は取引先企業の再生支援を行うべきであり、経営支援ができる人材の育成を急ぐべきである。というのが家森教授の主張です。
金融業界の現状を捉えた鋭いご指摘です。これからは創業支援や既存企業の経営支援にどれだけ力を入れられるかが、金融機関の地域貢献度を測る尺度になると思います。単なる融資にとどまらず、もっと踏み込んでどこまで経営のお役に立てるか。すべての金融機関が肝に銘じるべきことでしょう。