進む大家族への回帰(by村田裕之)

 米国では、所得の低下が引き金となって、親子2世帯あるいは3世帯など多世代世帯で同居するケースが増えており、大家族への回帰が進んでいる。この動きはいずれ日本でも顕著になるだろうと村田裕之エイジング社会研究センター代表はいいます(村田裕之『シニアシフトの衝撃』ダイヤモンド社)。
 90年代後半から、子供世帯が親の近所に居を構える近居が増えており、こうした「ゆるやかな大家族」がこれからも増えていくと村田代表は予想します。これにより「3世代による買い物や外食、レジャーなどで新たな消費が生まれ、親であるシニア世代の消費が促される。家族イベントやミニバンなどの大人数向けの移動手段への需要も生まれる。連絡を取り合うための電話、FAX、インターネットなどの需要も増える」といいます。孫のために支出する孫ビジネスが深化したり、シニアと若者との新しい協働スタイルが生まれることも示唆します。
 我が国の高齢化に伴う課題とその解決策は、世界中の国々から注目されています。我が国は、未来の世界を先取りしているからです。我が国はシニアビジネスで世界のリーダーになれると村田代表はいいます。ぜひそうなってほしいと思います。