見落としがちなシニア市場の特性(by村田裕之)

 企業がシニアシフトして高齢者にマーケティングを仕掛ける場合、注意すべきことがあると、村田裕之エイジング社会研究センター代表はいいます(村田裕之著『シニアシフトの衝撃ダイヤモンド社)。
(1)シニアの資産の特徴は、ストック・リッチ、フロー・プア。ストックは多いが、それがすべて日常の消費に回っているわけではない。
(2)シニア消費は年齢ではなく、シニア特有の変化で決まる。変化とは、第1に加齢による身体の変化、第2に本人のライフステージの変化、第3に家族のライフステージの変化、第4に世代の嗜好性の変化、第5に時代性の変化。こうした変化を理解して、提供する商品やサービスを考える必要がある。
(3)シニア市場はマス・マーケットではなく、多様なミクロ市場の集合体。マス・マーケティングがやりにくい。
(4)シニア層の消費行動は若者層と比べて多様でバラバラ。シニア市場は年齢ではなく、それぞれの価値観で括られる市場と理解する必要がある。
 シニア層へのマーケティングは、企業側に細かい観察と知恵が求められるということでしょう。