「高齢者は、自分が当事者になると消費する」と、エイジング社会研究センターの村田代表は、シニア消費の興味深い例を挙げています(村田裕之著『シニアシフトの衝撃』ダイヤモンド社)。
首都圏を中心に700万人の会員を持つクラブツーリズム。主な会員は60〜70代のシニアです。月刊誌「旅の友」をエコースタッフというスタッフに配ってもらっているのですが、このスタッフは、もともと顧客です。会報誌を配ることで月3千円〜3万円以上の収入を得ています。郵送よりもコストが安いうえ、直接自宅に配ることで顔を合わせて会話することができ、リレーションシップマネジメントにもなっています。エコースタッフは、会員同士の会話を楽しみながらお小遣いを貯めることができ、そのお小遣いをクラブツーリズムの旅行に遣います。
企業が顧客に事業に関与する機会を与えると、顧客に当事者意識が高まるとともに、経済的余裕も生まれて消費が促されると村田代表はいいます。シニア層の消費を活性化する重要なヒントではないかと思います。