小企業が生存率を高めるには

 最近、ネット上でまことしやかに言われる企業の生存率は驚くべき低さです。起業して1年後が40%、5年後が15%、10年後が6%だそうです(園田正世さん著『ママ起業 私の方法』でも10年後生存率が5%と紹介されています)。出典が明らかでないため、この数字が本当かどうかはわかりません。2006年版の中小企業白書に掲載されている数字は、ここまで低くありません(10年後生存率で26%)。しかし、リーマンショック後の景気の低迷に苦しむ企業の様子からは、恐ろしく低い生存率の数字がもっともらしく思えます。こうした数字が広まるくらい、身の回りの企業(特に小企業)の生存率が低いということでしょう。
 では、小企業の生存率を高めるにはどうしたらよいでしょうか。参考にしたいヒントが1つあります。
 新規顧客開拓数日本一を誇る古田土会計事務所(東京都)の大きな売りは、月次決算書経営計画書です。これらが評判になるというところに重要な意味があります。実際には、経営状況をリアルタイムで把握しておらず、経営計画を立てていない小企業がほとんどなのです。特に、経営計画は重要でしょう。
 どのような理念と目標をもって地域に貢献していくべきかを明確化していない小企業は無数にあります。それでも右肩上がり経済の時は、がむしゃらにがんばっていれば何とかなりました。しかし、今は経済が右肩下がりで縮小しています。2000年と2010年を比較すると、GDPは28兆円(5%)、就業者数は200万人(3%)減っています。このように市場が縮小トレンドにある中では、自社の立ち位置を明確にして、進むべき方向が正しいかどうかを常に確認し、細かく舵取りしていく必要があります。そのうえで経営計画はなくてはならないものです。
 小企業も経営計画を立てて、着実な経営を行ってほしいと思います。