学生がビジネスアイデアを生み出す方法

 各地で学生向けのビジネスプランコンテストが開かれていますが、まだ一般的ではないようです。ビジネスのアイデアを考え出すなんて難しいと考える学生が多いのでしょう。しかし、起業に必要なアイデアは学生でも生み出すことができます。
 まずはニーズの把握です。身近にある「困ったこと」を探してみましょう。それを解決すれば多くの人が喜ぶものは何でしょうか。最近は医療・福祉サービスの起業が多いですが、「子供を夜中や休日にも保育してほしい」というニーズから生まれたのが24時間保育サービスです。これまでは男性向けビジネスが主流でしたが、これからは女性の中に眠るニーズを掘り起こすことが重要でしょう。「花見の時に紙コップが風で飛ばされるのが困る」といったアイデアもOKです。豊橋工業高校の学生は、この発想から「風で飛ばされない紙コップ」を開発しました。
 ニーズを把握したら、次は解決方法の考案です。アイデアは無から生まれるわけではありません。何かと何かを組み合わせることで生まれます。寿司+ベルトコンベヤー=回転寿司、個室+カラオケ=カラオケボックスといったようにです。豊橋工業高校の「風で飛ばされない紙コップ」は、「紙コップ+鉄板」で生み出されました。紙コップの底に鉄板を貼るというアイデアで、風で飛ばされない機能を生み出したのです。粗削りなアイデアに見えますが、大人では考えつかない点が評価されて、日本政策金融公庫の2013年度高校生ビジネスプラン・グランプリでベスト100に入りました。
 青臭いアイデアでいい。やってみるからすべては始まります。学生のチャレンジ精神が、これからの社会を支えるのです。多くの学生に挑戦してほしいと思います。