経済産業省が所管する経済産業研究所が、日本政策金融公庫の融資の効果を検証して論文にまとめました（植杉威一郎・内田浩史・水杉裕太『日本政策金融公庫との取引関係が企業パフォーマンスに与える効果の検証』RIETI Discussion Paper Series 14-J-045、2014年9月）。
中小企業事業の融資の効果を検証したものですが、これによると、公庫は内部格付に基づき信用力の高い企業に資金を供給している、リーマンショック後の経済低迷期に積極的に融資を増やしている、土地を担保として重視しなくなっている、公庫融資により設備投資と雇用が増加している、カウベル効果は一時期のみ観察される、貸出後3年間を見る限り企業パフォーマンスは改善していない、公庫はデフォルトに陥りにくい企業への資金供給を実現している、そうです。
こうした評価は今後も継続的に行われ、積み上げられていくべきものでしょうが、公庫融資に一定の効果が認められたということでしょう。
