「獺祭」に見る常識を超えた経営革新(山口県)

 日本酒は冬に造るもの。日本酒は杜氏が造るもの。獺祭で一躍有名になった旭酒造は、この2つの常識を覆しました(桜井博志『逆境経営』ダイヤモンド社)。
 同社は、一年中、獺祭を造っています。しかも造っているのは若い社員です。なぜこんなすごいことが可能になったのか。それは大きな失敗をしたからでした。旭酒造の経営が危ういと思われたことで、杜氏が来てくれなくなったのです。追い込まれた桜井社長は、自分たちだけで酒造りに取り組もうと決心し、機械化を取り入れながら経験と勘を数値化して目に見えるようにしました。この結果、若手社員でも酒造りが行えるようになりました。また、機械による温度・湿度管理を徹底することで、通年生産することができるようにもなりました。
 逆境に追い込まれたことで、日本酒造りの常識を超えた旭酒造。次はどんな挑戦を見せてくれるのか、楽しみです。