商店街が起業家精神を取り戻すには(by藻谷浩介)

 『デフレの正体』の著者である藻谷浩介さんが『商店街はなぜ滅びるのか』の著者である新雅史さんと対談しました(藻谷浩介『しなやかな日本列島のつくりかた』新潮社)。
 「商店街はアントレプレナーシップ起業家精神)を発揮する空間」という新さんの指摘を受けて、藻谷さんは、起業家精神が花開くためは、根・茎・葉が揃う場が必要と説明しています。
 根は住居であり、葉は職場であり、茎は公共的な施設(病院や学校)。これらが揃って、零細店にも売上という名の栄養が行き届くといいます。郊外型のショッピングモールは、こうした条件を揃えていないため、起業家精神を発揮する場になっていないという示唆も含んでいます。まちづくりの方向性を考えるうえで貴重な指摘だと思います。
 商店街が、起業家精神を発揮する場として再び元気になってほしい。藻谷さんと新さんの対話からは、そうした期待感がにじみ出ています。